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ガンコな汚れ「スケール」の秘密と落とし方

茂木 和哉

こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。

水垢ってほんとガンコですよね。

プロの皆さんでも、キレイに落とせず苦労されている方がいるのではないでしょうか?

そんな水垢ですが、業界用語で「スケール」と言ったりするんですよ。

ということで、今回はその「スケール」についてお話をしたいと思います!

落ちやすい「カルシウムスケール」

「スケール」とひとくくりに言っても色々な種類があるのですが、中で最もポピュラーなのが「カルシウムスケール」です。

水道水でも温泉水でもとにかくよく現れるのですが、スケールの中ではそんなにガンコな方ではないので、落とし方さえ間違わなければキレイに落とすことができます。

では、どうやって落とすかと言うと、基本は「酸」で溶かして落とします。

酸性度が強ければ強いほどよく落ちます。

だから濃塩酸や濃硫酸をかけるとシュワシュワ気持ちいいほどよく解けます。

でも濃塩酸や濃硫酸を使うわけにはなかなかいきません。

どちらもかなり危ないですし素材を傷めるリスクも高いですからね。

なので、基本的には酸性タイプの洗浄剤を使って落とします。

例えば「黄鬼」などです。

またカルシウムスケールは、スケールの中では柔らかい方なので、硬めのタワシや金ヘラでゴシゴシガリガリ擦っても落とすこもできます。

ガンコな「シリカスケール」

スケールの中には、カルシウムスケールのように落としやすいものばかりではありません。

濃塩酸や濃硫酸のような強い酸をかけてもビクともしないような、超ガンコなスケールだってあります。

その1つがシリカスケールです。

シリカスケールは、カルシウムスケールのように酸をかければ落ちるようなものではないんです。

さらに、シリカスケールは硬いんです。

金タワシや金ベラやゴシゴシガリガリ擦ったとしてもまともに落ちてくれません。

例えば、ダイヤモンドパットのような、カルシウムスケールより硬いもので擦れば落とせなくもないですが、かなりの時間と労力がかかるうえ、素材に傷を付けないように磨き上げる技術も必要です。

特に鏡とガラスにシリカスケールがつくとそうなんですよね。

なぜかと言うと、ガラスや鏡をシリカスケールはくっつきやすく、長い期間つけっぱなしにしていると同質化して、ガラスや鏡の一部になってしまうからです。

そうなってしまっては、もう汚れじゃないですからね。

シリカスケールの落とし方

でも落とせないわけでもありせん。

さらに技術と経験が必要となりますが、擦って落とす「物理的洗浄」でも洗浄剤で落とす「科学的洗浄」のどちらにも洗浄方法があります。

先ずは擦って落とす方法ですが、ダイヤモンドのパッドやシートをポリッシャーやサンダーにつけて磨くと落とせなくもないです。

技術と経験、工具を含めた道具一式を揃えるためには、それなりにお金が必要になります。

なので基本的には、専門業者が行う方法になるでしょうね。

次に洗浄剤で落とす方法ですが、酸で落とせないほどガンコなシリカスケールなのですが、フッ酸(フッ化水素酸)には弱いんです。

なのでフッ酸やフッ酸が含まれている洗浄剤を使えば落とすことができるのですが、ただフッ酸は、プロの方でも最近使う方が少なくなっているほど、とっても危険な化学物質なんでよね。

私も現場に入っていた頃、使っていた時もありましたが、使うたびに寿命が縮まる気がしてやめました(笑)

なのでフッ酸配合の洗浄剤の代わりに「フッ化アンモニウム」配合の洗浄剤を使っていました。

そうなんです「フッ化アンモニウム」でもシリカスケールを落とすことができるんです。

フッ酸ほど落ちはよくありませんが、フッ酸と比べたらだいぶ危険度が低いので、使用中の安心感が違います。

フッ化アンモニウムと言っても色々種類があるのですが、中でも安全性が高いのが「酸性フッ化アンモニウム」と「中性フッ化アンモニウム」の2つです。

できるだけ安全に安心して作業をしたいので、フッ化アンモニウムが含まれている洗浄剤でも、その2つが使われているものを使いたいと言う気持ちがあったのですが、それがなかなかないんです。

なので自分で酸性フッ化アンモニウムと中性フッ化アンモニウムを配合して作って使うことにしたんです。

そしてその自分で作った洗浄剤を、現場で試しては改良を何度も繰り返し完成せたのが「青鬼」なんです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

いくらガンコなシリカスケールでも、適した洗浄剤を使えば落とすことができます。

シリカスケールに限った話ではないのですが、もし落とせない汚れがあったり、ガンコに感じたなら、汚れにあった洗剤を選んでいないということになります。

ただしあくまでも「汚れ」の状態ならです。

お伝えした通り、シリカスケールはガラス質に長い間付着していると素材と同質化してしまいます。

そうなると、もう「汚れ」ではなく「素材」の一部になり、落とすことが非常に厳しくなりますからね。

そんなシリカスケールと青鬼についてYouTubeで詳しく解説しております。

もっと知りたい方はぜひご覧になって下さい!

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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