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【プロ必見】汚れが落ちない3つの理由

茂木 和哉

こんにちは!(@motegikazuya)です。

清掃業の皆さま、これまでいくら頑張っても落とせなかった汚れや、もしくは落とせたけれどかなり時間と労力がかかってしまった汚れに出会ったことはありませんか?

どんなにガンコな汚れであろうと、スルッとキレイに落としてお客様を満足させるのが「プロの仕事」の理想だと思いますが、正直厳しい場合もありますよね?

ということで今回は、なぜ汚れを落とせなかったり、てこずったりしてしまうのか?

またそれらの汚れはどうやって落としたらいいのか?について詳しく解説したいと思います!

理由は3つ

では早速、なぜ汚れを落とせなかったり、てこずったりしてしまうのかというと、それはこの3つの理由です。

1.汚れに合った洗剤を選んでいない。
2.汚れに合った最適な洗剤の使い方をしていない。
3.汚れの状況に合った正しい洗い方をしていない。

この3つのうち、どれか1つでも間違っていればガンコな汚れを落とす事はできないのですよね。

汚れに合った洗浄剤を選んでいない

汚れに合った洗浄剤を選ぶためには、汚れの正体を見極める力が必要です。

例えば「浴室」の「水垢」を落とすのであれば、選ぶべき洗剤「水垢用洗剤」であって「浴室用洗剤」ではありません。

水垢用であれば、配管洗浄用でもボイラー用でもなんでもいいです。

さらに「シリカ系の水垢」など水垢の種類まで見極めて洗剤を選べたら完璧です。

ここでポイントとなるのが「用途で洗剤を選ぶのではなく、汚れで洗剤を選ぶ」ということなんです。

洗剤メーカーは、自分達の都合や販売店の都合で「キッチン用」や「トイレ用」など用途を洗剤につけたがります。私もそうです(笑)

「業務用」より「家庭用」の洗剤の方が圧倒的に多いですけどね。

でもそこに惑わされずに「汚れ」で洗剤を選んでください。

ただし、注意点が2つあります。

1つは、本来の用途ではない使い方をするわけなので、「自己責任」での使用となることと、洗剤のパッケージに記載されている「使い方」や「使用上の注意」などが通用しなくなることです。

しかし、汚れの正体がわからなければ汚れで洗剤を選ぶことが難しくなり、用途で選んでしまいがちになります。

でもそれだと汚れを落とせないことがあるんですよね。

消去法で洗剤を数試しながら汚れを特定させて落とす方法もありますが、それでは時間と手間がかかってしまいます。

なのでぜひ、汚れの正体を見極める力をつけて、少ない手数で確実に汚れを落とせるようになってください。

そのためには、やっぱり経験を積み重ねていくしかないと思います。

そしていずれは洗剤の配合成分から、より最適な洗剤を選べるようになってください。

それができれば同業者と差別化ができますし、必ず商売繁盛に繋がります。

汚れに合った最適な洗剤の使い方をしていない

実は洗剤を作る側の人たちって、洗剤を使う側の人たちの気持ちをよく分かってません。

私はそれがイヤで業務用洗剤を作るにあたり、実際に温泉施設を掃除しに回りましたし、一般向けの洗剤を作るようになってからは、主婦の気持ちを知りたくて毎日のように家を掃除をしています。

でもそんな洗剤開発者は他のメーカーには多分いません。

会社が大きくなりればなるほどそうです。

それで私が何を言いたいかというと、皆さんが現場で目にする「汚れの状況」を、洗剤メーカーが全て想定しているなんてことはないんです。

特に一般向けの洗剤より業務用の洗剤の方がそうです。

汚れが一般的ではないし特殊な場面で使われる事が多いですからね。

なので、必ずしも洗剤のパッケージに記載されている使い方が、最適な方法とは限らないんです。

そもそも業務用洗剤の場合は、使用方法が信じられないぐらい簡単にしか書かれていない場合がありますよね。

例えば、「汚れに応じて原液〜100倍に希釈して使用する」だけみたいな(笑)

もしメーカーに詳しい使い方を聞いたところで、求めている回答はしてくれないと思いますので、やはり自分で最適な使い方を見つけるしかないんですよね。

洗剤の特性をちゃんと把握し、使う場所ごとに洗剤の効果を最大限に高める方法をマスターしておくことが大切です。

例えば、粉末タイプの酸素系漂白剤は、50℃のお湯に溶かして使うのが最も効果的です。

でも、酵素が配合された酸素系漂白剤であれば、40度ぐらいの方が効きが良かったりします。

さらに血液汚れの場合は、お湯だと固まって落ちなくなる事があるので、高くても30度ぐらいが良かったりします。

ここでも汚れの正体を見極めことも大切なのですが、汚れがついている素材や場所(モノ)、作業時間などによって最適な洗剤の使い方ができればベストですよね。

それにはやはり、たくさん現場をこなし、そして使い方を色々試して経験値を上げていくしか近道はないのかもしれません。

教えてくれる腕の良い先輩や同業者の方がいれば近道にはなるんでしょうけどね。

汚れに合った正しい洗い方をしていない

これまでお伝えした「汚れに合って洗剤を選び」と「汚れに合った最適な洗剤の使い方」をしたとしても、まだ完璧ではありません。

さらにプロの仕事を目指すなら、「汚れに合った正しい洗い方」も重要です。

例えば、いろんな汚れが混ざりあってついている場合がそうです。

温泉浴場は洗い場の汚れがまさなそんな状況です。

洗い場には、
・皮脂汚れ
・石鹸カス
・ヌメリ
・カビ
・水垢
の汚れがつきます。

この中のどれか1つの汚れだけしかついていないということはあまりなく、いくつかの種類の汚れが重なり合ってついていことがほとんどです。

そうしたときに、どの汚れがついているのか?その汚れのひどさはどの程度なのか?洗浄範囲は広いのか?などを判断して最適な洗い方を考えます。

例えば、皮脂汚れとヌメリ、水垢の3つの汚れがついてたとしたら、先ずはアルカリ洗剤で皮脂汚れとヌメリを落としてから、酸性洗剤で水垢洗剤を落とす工程になると思います。

しかし洗い場が広い場合は、アルカリ洗剤をやめて高圧洗浄で温水を使って洗った方が早い場合もあります。

そんな感じで、先に汚れの状態と場所をちゃんと判断して、それに合った正しい洗い方をすることで、汚れが落ちやすくなりますし、作業時間や掃除に関わるコストも削減ができます。

最後に

いかがでしたでしょうか?

私もそうだったのですが、今回の3つのポイントは、汚れと向き合えば向き合うほどスキルアップしていくんですよね。

どうしても落とせそうにない汚れに出くわすと逃げたくなってしまうこともありますが、今思うと、そこで逃げずにチャレンジしてみることって大切なとこなんですよね。

私の場合は、清掃業から洗剤作りにシフトチェンジしてしまいましたが、自分で作った業務用洗剤のほぼ全てが、清掃業をしていた頃に、同業者で落とせなくて諦めた汚れを絶対に落としてみという気持ちで、何度も年度もチャレンジして完成さものなんです。

先ほど紹介したシリカ系の水垢用の「青鬼」もそうですが、「赤鬼」もそうなんです。

この2つの業務用水垢洗剤を完成させたことが、一般向け水垢洗剤「茂木和哉」の誕生に繋がたんです。

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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