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【徹底分析!】プロ向け!茂木流 水垢落とし術【掃除術】

suura

こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です

浴場清掃やハウスクリーニングをされているプロの皆様、このような悩みをお持ちではないでしょうか?
評判のいい業務用水垢洗剤を買ったけれど、全然汚れが落ちない
浴槽やタイルの水垢は落ちるのに、ガラスについた水垢がどうしても落ちない
そもそも水垢の落とし方やいい洗剤を知らないため、研磨洗浄をしていて疲れる

水垢はとてもガンコな汚れとして有名ですが、その原因は水に含まれるミネラル分です
よって特に水に含まれるミネラル分が多い硬水や、源泉かけ流しの温泉に関しては、より強力な水垢ができてしまい、掃除する手間も多くかかってしまいます

そこで今回は、日々大量の水垢と死闘を繰り広げている皆様のために、「茂木流 水垢落とし術」をご紹介したいと思います!

なお今回の記事は一般の方向けではなくプロの方に向けた内容となっておりますのでご了承くださいm(__)m
またこちらのYouTube動画の内容と併せてご覧いただけると幸いです↓

水垢汚れの種類

基本的に汚れは厚く、かつ広範囲にはびこっているものの方がガンコです…
もちろんこれは水垢汚れにも当てはまる項目ですが、例えば薄くてもガンコな水垢汚れというものが存在します
それは水垢と一括りに言っても複数のタイプが存在するからです!
つまり落ちにくいタイプの水垢だと、汚れの量や厚さに限らずガンコであるということですね…

ということで、まず敵である水垢の攻略法を紹介する前に、水垢自体の種類やその性質についてそれぞれ簡単に紹介していこうと思います!

カルシウム系水垢

水垢といわれて真っ先に思い浮かぶ、いわば最もポピュラーな水垢がこのカルシウム系です
このタイプの水垢は水道水からも発生するため、一般家庭でも猛威を振るっています
私の体感では水道水から出来る水垢の約6割がこれに該当すると思います

なおこのカルシウム系の水垢、一般家庭においてはかなりガンコな部類の汚れとしてカテゴライズされますが、プロ目線でいうならばかなり簡単に落ちる汚れです

鉄・マンガン・銅・硫黄系水垢

海沿いの温泉施設や地下水を利用したお湯を使うと出る鉄系の茶色い水垢汚れ鉄系と同じく地下水を使用した場合にできてしまうことが多い黒いマンガン系の水垢汚れ
他にも青い色が特徴の銅系の水垢や、温泉特有の硫黄系の水垢なども存在します

これらは一般家庭ではまずお目にかかれないタイプのガンコな水垢です

シリカ系水垢

シリカ系の水垢は、シリカスケールとも呼ばれる水垢の中でも特にガンコな汚れです!
もちろん落としにくいという特徴もさることながら、一般家庭にも出没する水垢であることが特に厄介者とされる原因です
その理由は、このシリカ系の水垢がふつうの水道水でも発生する、という性質をもっているからです
つまり、源泉かけ流しタイプでもない浴場であろうと、循環式の浴場てあろうと一般家庭のお風呂であろうとこのシリカ系の水垢は発生します!

浴場の清掃以外にも、例えば一般家庭のハウスクリーニングを請け負う清掃業者は現在価格競争に躍起です
とても低価格で清掃をしてもらえるというのは、消費者側からするととてもありがたいですが、実際に清掃を行う業者さんからすると結構辛いものです
実際、どうせ掃除をするのであればできるだけ高単価な依頼を請け負いたい、というのが本音でしょう
しかし高単価でどの業者もやりたがらない案件というのは、それだけ清掃作業の難易度が高いと言う裏付けです

このような高単価であるにもかかわらず、他業者が手を付けない清掃作業の1つが、シリカスケール洗浄なのです!

掃除のプロと水垢

シリカスケール落としさえできれば…

シリカスケールに関しては、ほとんどの業者がそもそも落とせない、あるいは落とせる業者がいるとしても機械による研磨洗浄が主でしょう
機械による研磨洗浄は、時間も労力もけた違いにかかります。しかも機械の購入や維持にもコストがかかるため、結果多少高額でも案件が余ってしまうというのが常なのです

しかし逆転の発想で、このシリカスケールを低コストで簡単に落とすことさえできれば…、
清掃業者の業績は上がる
清掃員の負担が減る
低価格で依頼を受けられるため信頼関係構築や継続して依頼を受けることが可能
銭湯での清掃も楽
銭湯の口コミが上がり業績も上がる
などといいことずくめです!

ということでシリカスケールを攻略するために、もう少しこの汚れについて詳しく説明いたしましょう!

シリカスケール性質

そもそも水垢はミネラル分が原因となったアルカリ性の汚れです
つまり基本的に酸性の洗剤による中和洗浄が効果てきめんです!
例えば比較的落としやすいと紹介したカルシウム系の水垢は、一般向けの酸性洗剤などで意外と簡単に落ちてしまいます

しかしシリカスケールは例外です!
中和洗浄ではびくともしないため、例え濃硫酸をかけても落ちません…

そんなシリカスケールの主成分シリカとは二酸化ケイ素のことです
そしてこの二酸化ケイ素はガラスの主成分でもあります
つまりガラスや鏡、ガラス質のツルツルとした素材などにこのシリカスケールが付着すると、元々同じ物質であるために強く結びついてしまいます
ずっと放っておこうものなら、ガラスシリカスケールが同質化してしまうことも起こりえます!

ではそんな同質化までしてしまうシリカスケールに対抗できる手段はどのようなものがあるのでしょうか?

機械洗浄

まず考えられるのが機械による物理的な研磨洗浄です
しかし何度かお伝えしているように、労力や時間、コストがかかります
また汚れ落としという面にフォーカスしても…、
研磨機を使うと素材に傷がつき、
次にできる水垢汚れがその傷の間にはびこってよりガンコなものになってしまう
といったケースが多いのでおすすめはできません

では物理的ではなく、科学的にシリカスケールを落とすには、一体どのようなものを使えばよいのでしょうか?

フッ化水素酸

こちらの薬品は劇物といわれるとても危険なものです
その危険さを言葉で表すならば、
フッ化水素酸を小数点以下のパーセンテージ、つまりほんの少しでも使う場合には劇物扱いとしなければならない、と法律で決まっている
・そもそもこの薬品を使うのには「毒劇物取扱責任者」という資格が必要
など、これだけでお分かりいただけると思います

一昔前ならば、私も含め使っている業者の方がちらほらいましたが、現在ではあまり使われていない代物です

ホウフッ化アンモニウムケイフッ化アンモニウム

この2種類の薬品もフッ化水素酸同様、とても強力ですが、その代わりに少しでも含まれている場合劇物指定されるとても危険な物質です

酸性フッ化アンモニウム

この薬品は先述したフッ化水素酸やホウフッ化アンモニウム、ケイフッ化アンモニウムと違い、4%までならば劇物扱いにならないという法律がある物質です
つまり前の3つの薬品よりは安全ということです

もちろん汚れに対する洗浄力では劣るかもしれませんが、そもそも法律で固く使用を制限されているものに劣るのは当然といえます

中性フッ化アンモニウム

最後に紹介するのはこの中性フッ化アンモニウム
こちらの薬品は、いくら使用しても法律上何の問題がありませんでしたが、法改正があり、フッ化水素酸同様、少しでも含まれている場合劇物指定され危険な物質になってしまいました

プロ向け!茂木流 水垢落とし術

プロ目線で考えられるシリカスケール落としの重要度、そしてそんなシリカスケールを落とすための薬品を紹介し終えたところで、私がおすすめするプロ向け水垢用洗剤を紹介しましょう!

シリカスケール用 洗剤「青鬼」

今回私がおすすめするのはこちらの「青鬼」です

この洗剤には先述した「酸性フッ化アンモニウム」が法律に触れないギリギリのライン、つまり4%弱入っています。

つまり劇物にならない範囲内で、シリカスケールに対してできるだけの対抗手段を兼ね備えた洗浄剤なのです!

またこれらの成分以外にも、「スルファミン酸」「リン酸」「クエン酸」「界面活性剤」が含まれています
スルファミン酸はカルシウム系の水垢に対して絶大な効果がある洗浄成分です
またリン酸やクエン酸という酸性物質は、スルファミン酸や、酸性・中性フッ化アンモニウムの洗浄力をより高める役割をしています
しかも界面活性剤により、洗浄力向上はもちろん、粘り気を出すことに成功しました!

いくら法律の範囲内とはいえ、危険な薬品であることに変わりはない「青鬼」
そんな洗浄剤がとてもどろどろとしており飛散しやすい液状の洗剤だった場合、飛び散ってしまうためより危険です
しかし増粘剤と配合し粘度を高めたことにより、液の飛散のリスクを下げております
また、界面活性剤も配合しているので洗浄時に泡立ち、その泡が目印となって洗い残しを起こりにくくするのも、この「青鬼」が優れているポイントの一つです

実践

言葉だけでは伝わりづらいので、実際にこのような鏡についた水垢を、「青鬼」で綺麗にしていきたいと思います!


まずは手袋をしたのち、洗浄液を作っていきます!

なお「青鬼」は、先述の通りとても強力な洗浄剤なので、今回は10倍の希釈液による洗浄を行います

そして作った10倍希釈の「青鬼」を、画像のように歯ブラシなどにつけ鏡を一擦りします


最後に3秒ほど放置したのち、ティッシュで軽く拭けば…

なんとこの通り、洗浄液で汚れを落とした部分だけがピカピカになりました!
10倍希釈でこの結果ですから、少し濃くすれば、長年放置されたシリカスケールも落とせるようになるかもしれませんね!

まとめ

いかがでしたか?

今回はプロの方々向けに、シリカスケール用洗浄剤「青鬼」による水垢落とし術を紹介しました!
なお「青鬼」一般の方が使うと酸焼けのリスクなどがあるため、おすすめしかねます
しかし使い方をある程度理解しているプロの方々ならば、とても強い味方になってくれる洗剤でしょう♪

ではご精読ありがとうございました!
またお会いしましょう♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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