お掃除情報:裏技・豆知識

同じなようで同じじゃない「合成洗剤」と「中性洗剤」の違いについて

茂木 和哉

こんにちは!茂木和哉(@motegikazuya)です。

皆さん、「合成洗剤」と「中性洗剤」の違いをご存知ですか?

もしかしたら「合成洗剤」の方が、「強そう」だったり「怖そう」だったりと、危険なイメージを持つ方多いのではないでしょうか?

一方で「中性洗剤」はに、「優しい」イメージを持たれている方が多そうな感じがしますがいかがでしょうか?

ということで今回は、この2つにつて詳しく説明していきたいと思います!

合成洗剤とは?

先ずは、「合成洗剤」です。

合成洗剤とは、主な洗浄成分として「合成界面活性剤」が使われている洗剤の事を言います。

「主な」が重要です。

「合成界面活性剤」が入っていても、主な洗浄成分が「石けん」であれば、合成洗剤ではなく石けんになります。

これを「複合石鹸」と言います。

しかし、主な洗浄成分が合成界面活性剤なら、多少石けんが含まれていても合成洗剤となるわけです。

「主な」の具体的な割合は、家庭用品品質表示法のルールでちゃんと決められています。

「洗剤」と「合成洗剤」

少し話がそれますが、「洗剤」=「合成洗剤」です。

「洗剤」より「合成洗剤」の方に怖いイメージや強いイメージを持たれる方がいるかもしれませんが略語のようなもので全く同じものなんです。

なのでエコ洗剤や自然派洗剤、無添加洗剤、植物系洗剤、ヤシ洗剤、オーガニック洗剤なども全て「合成洗剤」です。

必ず合成界面活性剤が主成分として使われているので、洗剤を選ぶ際に注意してください。

私は合成洗剤や合成界面活性剤が悪いと言っているわけではありません。

問題なのは、選ぼうとしている洗剤と実際に選んで購入した洗剤がイメージ通りではなく逆になってしまうことです。

例えば、手肌弱くて肌に優しい洗剤を選ぼうとしていたのに、気づかず刺激の強い洗剤を買ってしまい手荒れがひどくなってしまうようなことです。

中性洗剤とは?

次に中性洗剤です。

中性洗剤とはその名の通り、pHが「中性域」の「洗剤」です。

なので先に説明した、合成洗剤の液性が中性なら「中性洗剤」となります。

アルカリ性なら「アルカリ性洗剤」、酸性だと「酸性洗剤」とる場合もあります。

ただしアルカリ性度が強すぎたり、酸性度が強すぎたの場合は、「洗剤」でなく「洗浄剤」となります。

これも家庭用品品質表示法のルールで決まっていて、汚れを落とす「主な」働きが「合成界面活性剤」ではなく「酸」や「アルカリ」の場合は「洗浄剤」になるんですよね。

なので汚れを落とす主な働きが、「酸」の場合は「酸性洗浄剤」、「アルカリ」の場合は「アルカリ性洗浄剤」となります。

ここがちょっとややこしいところです。

例えば、花王のマジックリン は「アルカリ性洗剤」となりますが、なまはげ油汚れ用は「アルカリ性洗浄剤」となります。

どちらも「アルカリ性」で「合成界面活性剤」が含まれているのに、主な働きが「合成界面活性剤」なのか「アルカリ」によるものなのかで変わるんですよね。

ちなみに「なまはげお風呂用」にも、合成界面活性剤が含まれてますが、汚れを落とす主な働きが「酸」なので「酸性洗浄剤」となります。

レック 洗剤 茂木和哉 おふろのなまはげ お風呂用 320ml [ 290784 ]

ちなみに「洗浄剤」には、クエン酸や炭酸ナトリウム、アルカリ電解水など、合成界面活性剤など含まずシンプルに酸やアルカリの働きで落とすものも含まれます。

だからと言って「洗浄」より「洗浄剤」の方がナチュラルで安全だなんてことはありませんからね。

確かに中性域に近いものは安全なものがあります。

例えば重曹などがそうですが、中性域からかなり遠いものはかなり危険です。

例えば塩酸や硫酸、水酸化ナトリウムなどがそうです。

これらの強酸や強アルカリのもを、合成界面活性剤不使用だから無添加だからと言って安全とはえませんよね。

その「液性と安全性」について「茂木和哉」の安全性について説明している記事で詳しく書いてます。

詳しく知りたい方はぜひどうぞ。

そして、合成洗剤でなく石けんの場合だと中性なら「中性石けん」、アルカリ性なら「アルカリ性石けん」、酸性だと「酸性石けん」となるところですが、そうはなりません。

なぜかというと、石けんは性質上アルカリ側でしか働くことができなく、中性石けんや酸性石けんは存在しないからです。

なので「石けん」=「アルカリ性」となるので、あえてアルカリ性石けんと呼ぶようなことはないんですよね。

最後に

いかがでしたでしょうか?

お伝えした通り、結構細かく家庭用品品質表示法で分けられているんですよ。

ちなみに「石鹸」も立派な「合成界面活性剤」なんです。

油脂とアルカリを合成して作ったアニオン界面活性剤ですからね。

でも家庭用品品質表示法では、合成洗剤と区別するために他の合成界面活性剤と分けられているんですよね。

だから「洗剤」なのか「石鹸」なのかは、パッケージの品名を見れば簡単に確認ができます。

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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