のぞみの記事

【成分分析】花王「アタック3X(スリーエックス)」の成分とその他の違いは?【徹底解説】

shiro
のぞみ

こんにちは!のぞみです。

今回は、花王の新商品「アタック3X(スリーエックス)」について、
裏の表示を見ながら、中身がどういうものなのかを一緒に見てゆきたいと思います。

▼今回は、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画を参考にしています。
ぜひ合わせてご覧ください。

花王アタック3X(スリーエックス)

茂木和哉

先にお伝えしておきますが、私個人の意見となりますので、
もしかしたら間違っていたり勘違いしている部分もあるかもしれません。
なので、あまり参考にしすぎるのではなく、軽く聞き流す程度に聞いていただけたらと思います。

それでは早速、表のパッケージを見て見ましょう。
3X”というのは抗菌と洗浄と消臭の事のようですね。
この3つの効果に特に注力した商品という事が、この名前から分かりますね。

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花王
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花王に限らず、他のメーカーもそうなのですが、
新しい商品が出るたび、この「抗菌・洗浄・消臭」の要素は、
従来品よりもパワーアップしたという見せ方をするところが多いです。

でも、もし新しいものがその3つすべて良くなっているとしたら、
10~20年前よりも相当良くなっていないといけない感じもしますが、実際の所どうでしょうか。
私の体感としては、むしろ昔のものよりも悪くなったものも中には見受けられます。

とはいえ「抗菌・洗浄・消臭」は謳わないと、なかなか売れていかないというのが、パッケージからも読み取れます。

そして、このボリューム感なので、濃縮タイプの洗濯洗剤ではないですね。
濃縮の洗濯洗剤で代表的なものといえば「アタックゼロ」があります。

「アタックゼロ」も最近抗菌のものが出たようですが、
今の「アタックゼロ」は、抗菌プラスになっています。
2020年5月30日にモデルチェンジがあってそこから抗菌プラスになっています。

ですので、濃縮タイプの「アタックゼロ」と、濃縮ではない「3X」、
どちらも抗菌というところを花王は重要視しているのかもしれません。
3つのXの中で一番大きく表示されているのも「抗菌」ですね。

そして、花王のアタックには色々種類があるのですが、
主に粉末液体に分かれます。

今回は液体タイプの「アタック抗菌EXスーパークリアジェル」という商品と「アタック3X」を比較して、何が違うのかという点について触れたいと思います。

液性は弱アルカリ性

まずは「アタック3X」の成分表記をチェックします。
液性は弱アルカリ性という事で、ウールやシルクは基本的に使えないと考えてよいでしょう。

使えない素材として明記されているわけではないのですが、
洗濯マークで「中性洗剤使用があるものは使えない」と書かれているので同じことです。

おおまかに洗濯洗剤には、弱アルカリ性と中性の2種類があります。
中性洗剤は動物などのウールやシルクに使うことが出来ますが、アルカリ性の場合は使えません。
さらに、木綿や麻などのその他の素材はどっちだか迷うことってありますよね。

そんなときは、以下の様に覚えておくと良いでしょう。
【植物系】→弱アルカリ性で洗える
【動く生き物(虫、動物)】→弱アルカリ性NG

そういうふうに、弱アルカリ性にすることで使えない生地が出てきてしまいますが、メリットとしては洗浄力が上がります。

だから(主成分の界面活性剤も見ないと断定できませんが)、液性だけで比べると、中性の「アタックゼロ」よりは、「アタック3X」の方が洗浄力が高いと言えるでしょう。
※トータルとしてはまだわかりません。

成分をチェック

パッケージ裏の成分をチェックしてみると、このように記載されています。

界面活性剤[23%、高級アルコール系(非イオン)]安定化剤、アルカリ剤、pH調整剤、酵素、蛍光増白剤

具体的な界面活性剤の成分までは記載されていないようですが、
花王のアタックシリーズではよくこの書き方を見ます。

茂木和哉

他のメーカーの洗剤はそうでもないのですが、花王は、このように大きく括ったような表記をする特徴がありますね。

アルカリ剤を入れて洗浄力を上げつつ、pH調整剤でその強さを調整する事で、あまり強い刺激にならないように配慮されています。

また、酵素と蛍光増白剤については、家庭用品品質表示法で1%未満の配合でも表記が必要とされています。

酵素とひとえに言っても色んな酵素があります。
(デンプン分解酵素、油脂分解酵素、繊維分解酵素、タンパク質分解酵素)
多分ですが、花王の事ですからその4つの酵素を全て入れている可能性があります。

酵素は価格が高く、長時間放置すると不活化するので長い事保管することが出来ません。
だから、大手だからこそ色々な種類の酵素を使えるという強みはあると思います。

茂木和哉

酵素は、小さな容量で販売していれば私も自社製品に入れたいと思っているのですが、大容量で販売されていることがほどんどです。

だから私の場合は、在庫過多で品質をダメにしてしまうくらいなら酵素は使用せず、別の方法で洗浄力を上げられる配合を考えるようにしています。

HPから成分の詳細をさらにチェック

次は、商品パッケージには書かれていない、成分の詳細を見ていきたいと思います。

花王サイトに掲載されている成分は以下の通りでした。

・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(界面活性剤)

商品に書かれている「非イオン界面活性剤の高級アルコール系」とは、この2つの成分の事だと思います。

・ブチルカルビトール(安定化剤)
これは恐らく「溶剤」だと思われますが、
「溶剤」としての洗浄力だけでなく、製品を安定させるために入れている「可容化剤」のような役割もあるのかなと思います。
私も溶剤を可容化剤として使うことって結構あるんですよ。

・クエン酸塩(pH調整剤)
このクエン酸ナトリウム(クエン酸塩)は酸ではありません。
恐らくpHが中性から弱アルカリぐらいの間(pH7~9くらい)だと思いますが、
それを使ってpHを調整しているということなんですね。

・脂肪酸塩(石けん分)
この脂肪酸塩(石けん)は「アニオン界面活性剤」ですから、
商品に直接表記されていない界面活性剤という事になりますね。

・アクリル酸塩系共重合物(分散剤)
難しい表記をされていますが、これは「アクリル酸ソーダ」の事です。
私もよく業務用の洗剤に分散剤として使ったりしてます。
ポリアクリル酸ソーダというのは、いわゆるローションの事です。

・アルキルアンモニウム塩(界面活性剤)
これは「カチオン界面活性剤」に分類されます。
これが抗菌の方に繋がってくる成分だと思います。
カチオン界面活性剤は、抗菌作用・除菌作用があります。

・エタノールアミン
これを入れることによってアルカリ度が上がり、洗浄力が高まっていきます。この商品が「弱アルカリ性」になってるのは、この成分がアルカリ側に引っ張ってるからなのです。

・塩化カルシウム(安定化剤)
これは粘度をつける時によく利用されます。

・亜硫酸ナトリウム(安定化剤)
これは恐らく酸化防止の役割で入れているのだと思います。
亜硫酸ナトリウムは脱塩素剤としても使われるんですよ。
例えば水道の塩素を飛ばす目的や、プールとか温泉とか塩素をちょっと濃い目に入れてしまった時などに使うと、
すっと塩素が飛んで、残留塩素が落ちるんです。

・蛍光増白剤(安定化剤)
蛍光増白剤入っている場合、
肌の弱い方、小さなお子さんがいる方はちょっと注意が必要です。
蛍光増白剤は洗濯し終わった時に必ず残る成分で、
むしろ残って初めて意味をなす成分ですから、そこは一つ注意しておいた方がいいですね。

・酵素
こちらは先ほどお伝えした通りです。

・着色料
青っぽい液体となっていますね。

以上が全成分になりますね。
ノニオンの界面活性剤が主成分だけれども、脂肪酸塩も入っていて、
さらに洗浄力高めな石けん成分も入っていましたね。
あとはアルカリ剤「エタノールアミン」も入っていて、洗浄力を高めています。

溶剤も入ってましたよね。
溶剤の役割は安定化剤ですが、洗浄成分としても役割をなしてくれると思います。

それでもあの洗浄力が不十分で落ちきれないような要因があったときのために、蛍光増白剤を入れて青白い着色をして、日光に当たると白く見せるようなことをしているということになりますね。

あと酵素も入っているので、前洗い(予洗い)にも良さそうですね。
例えば、ちょっと汚れがひどいなという時に、
桶に約40度のお湯と、洗濯に入れる量ぐらいの洗剤を入れ、しばらく浸け置きしてみると良いでしょう。
つけ置き後、そのまま洗濯機に入れて洗濯機洗いをすると、この酵素をうまく使えて、汚れ落ちが良くなると思いますよ。

アタック3Xとアタック抗菌EXスーパークリアジェルの違いは?

さて、「アタック3X」と非常に似ている既存品の「アタック抗菌EXスーパークリアジェル」の違いについて触れていきたいと思います。

こちらのアタック抗菌EXスーパークリアについて、ホームページの情報を確認した所、
その成分、アタック3Xと全く同じものでした!

加えて記載の順番も全く同じでしたので、恐らく配合量もさほど変わらない可能性があります。

そのため、「アタック抗菌EXスーパークリアジェル」の方はもしかすると廃盤になる予定の商品なのかもしれません。

大手のメーカーは、新商品を定期的に出していますが、実は商品の中身はさほど変わっていないといったことがよくあります。
それは、「新商品発売」がもっとも手っ取り早く話題性を作ることが出来るからです。
新商品発売のたびにテレビCMを打って、店の売り場プロモーションを増やすことで、ブランドを活性化させて売上を達成させるという目的があるんです。

新商品を出さずにずっと同じものだけでやってると、話題性もなくなり売り場もなかなか前の方に出してもらえなくなってしまいます。

まとめ

のぞみ

茂木さん、ありがとうございました!

今回は、花王の新商品「アタック3X(スリーエックス)」について、既存の商品との違いを成分を見ながらご紹介させていただきました。

また、「アタック抗菌EXスーパークリアジェル」と比べて、成分の違いがほとんどなかったということも少し意外でしたね。

確かに私自身も、店頭で「新商品!」として大々的にPRされていると、ついつい手に取ってしまいますが、実際の所は何が変わったのかは分からずに購入していました。

今回もここまで御覧いただきありがとうございます。
それでは、またお会いしましょう♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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