のぞみの記事

【商品紹介】旭化成の食器用洗剤「フロッシュ(Frosch)」を分かりやすく解説!【掃除術】

suura
のぞみ

こんにちは!のぞみです。

今回は旭化成から販売されている、ドイツ生まれの食器用洗剤「フロッシュ(Frosch)」について解説していこうと思います!


フロッシュには大きく分けて…、
スタンダードタイプ
洗浄力強化タイプ
という2つのタイプがあります!

また香り違いでスタンダードタイプには3種類、洗浄力強化タイプには2種類のラインナップがそろっており、用途や匂いでお好みのものを選べます♪

本記事ではフロッシュの性能面について、その成分や実際に洗ってみて感じることなどを元に紹介していく予定です!

因みに参考にするのは…
こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画です↓

洗剤の概要

ではまず商品に書かれていることや、公式サイトに記載のある内容を元に、フロッシュの性能面について分析していきます!

キャッチコピーについて

初めにフロッシュのキャッチコピーですが、公式サイトによると…、
きちんと洗えて、自然にも手肌にもやさしい食器用洗剤
というものです

(引用:「食器用洗剤 | フロッシュ® | 旭化成ホームプロダクツ」2021年12月6日確認)

まず「自然にやさしい」という内容に関してですが、これに対する評価はかなり難しいものです
というのも下水道がかなり普及している現在日本において、食器洗い後の洗剤排水がそのまま自然へと流れしまうということはあまり起こりません
また洗剤が及ぼす環境への問題を語る場合、その洗剤の製造・輸送過程についても考慮しなければなりません
しかしこれらのポイントは、消費者から確認しにくいため、どうにも評価しづらいのが本音です

なお日本の下水道普及率や洗剤が環境に与える影響についてまとめた2つの記事がありますので、ご興味ある方は下記のリンクからお読みくださいm(__)m

次に「手肌にやさしい」という点に関してです
こちらは後述するフロッシュの特徴や、成分表示にも深くかかわるため、そちらを紹介してから考えていきましょう

フロッシュの特徴

手肌への影響を考えるうえで欠かせない情報の1つが、公式ホームページに記載されているフロッシュの特徴です!

そこには…、
手肌の水分損失が少ない
弱酸性・ノンアルコール処方
低刺激性洗浄成分処方
という3つのポイントが紹介されていました

(引用:「手肌にやさしいノンアルコール洗剤 | フロッシュ® | 旭化成ホームプロダクツ」2021年12月6日確認)

まず「手肌の水分損失が少ない」という内容についてですが、具体的な内容は確認できませんでした
というのものちに紹介する成分も、他洗剤と比較して特別なものが入っている様子もなく…、
かつ仮に入っていたとしても、食器洗剤はすぐに洗い流すことが多いため、その成分が手肌にとどまって効果を発揮し続けるとは考えにくいです
わざわざ記載されている内容であるため、全く根拠がないことはないでしょうが、過信するのもよくないでしょう

次に「弱酸性・ノンアルコール処方」についてです
弱酸性の食器用洗剤は大手メーカーからはあまり出ておらず、確かに珍しいです
そのうえ人間の手肌は弱酸性であるため、ゆえに手肌にも優しいというイメージがあるのも事実でしょう

確かに弱酸性の洗剤は、アルカリ性のものと比べると手肌への影響が少ないでしょう
しかし中性のものと比べて格段に手肌に優しいかと言われると、そうでもないです
実際洗剤作りのプロである茂木さんも、「中性に比べ弱酸性だから手肌に優しいとは言い切れない」とおっしゃっていました
また公式のサイトにも弱酸性であるがゆえの手肌へ優しい理由」に関する記載はないため、いささか疑問が残ります

そしてノンアルコール処方に関しても疑問点はあります
公式サイトには「ノンアルコールであるがゆえに実現された手肌への低刺激性」、これについてしっかり紹介されていました
しかしそもそも他の洗剤はアルコールを使った処方で、洗剤を作っているのでしょうか?
フロッシュの公式サイトにもあるように、アルコールは手肌への刺激がかなり強く、手荒れの原因となる成分です
確かに洗浄力は強いですが、果たしてこのような刺激がかなり強い成分を他の大手メーカーが使うのか、と聞かれるとそうではないように思われます

(最後の「低刺激性洗浄成分処方」については、次の章の「成分表示」で併せて解説するので、ここでは省略いたします)

成分表示

では最後に成分表示について見ていきましょう
フロッシュのスタンダードタイプのパッケージ裏には…、
界面活性剤(9% アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
安定化剤
とありました

また洗浄力強化タイプの方は…、
界面活性剤(17% アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン)
粘度調整剤
安定化剤
と記載があります

なお洗浄力強化タイプには重曹が配合されているものとオレンジオイルが配合されているものがあります
茂木さん曰く、オレンジオイルによる洗浄力アップは期待できるが、重曹に関してはよくわからない、とのことでした
そもそもの洗剤の液性が弱酸性であるため、確かにアルカリ性である重曹が配合されてもその効果を発揮できるのかは、甚だ疑問ですね

またここで気になることがあります
それは裏の成分表示に「重曹」や「オレンジオイル」という表記がないことです
これに加え、香りのするタイプもあるのにもかかわらず、「香料」などの成分表示の記載も見られません
どうしてでしょうか?

何故かというと、家庭用品品質表示法にある「配合量が1%未満の場合は記載しなくていい成分もある」というルールに準拠しているからです

つまり裏に書かれていない成分でも、本当は配合されている場合もあるということですね(例えば「防腐剤」なども確実に配合されていると思われます)

表示に関する疑問を解消したところで、いよいよ表示されている内容について見ていきましょう
注目すべきは界面活性剤として両方に入っている「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」です!
しかしこれはそこまで特別な成分ではありません
有名どころで言うとP&Gの「ジョイ(JOY)」やLION(ライオン)の「CHARMY Magica(チャーミーマジカ)」、無印良品の「食器用洗剤」などに含まれている界面活性剤ですね

ただし成分配合という点においてこれらの食器洗剤と大きく異なる点は、界面活性剤の配合量です
JOYは32~33%程度、CHARMY Majicaは29~32%、無印の食器用洗剤も26%となっています
しかし先述の通り、フロッシュの洗浄力強化タイプは17%、スタンダードタイプに至っては9%ととても薄いです

なおウタマロキッチン(東邦)やヤシノミ洗剤(サラヤ)なども界面活性剤の配合量が15~20%程度となっており、大手メーカーとは差別化がされています
しかしそれらの洗剤と比べても、フロッシュのスタンダードタイプの9%という数値は非常に少ないですね

界面活性剤の濃度について

他の食器用洗剤に比べ非常に界面活性剤の濃度が低いフロッシュシリーズ
では界面活性剤の薄いことによる影響にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず洗浄力ですが、これは問題ないです
なぜなら合成洗剤の洗浄力は、入っている界面活性剤の濃度ではなく、その種類や、他に含まれている成分に起因する部分が大きいからです
ただし泡持ちという面に関してはいささか心配です

1枚のお皿を洗う場合なら、先述の通り洗浄力に問題はないため、特に気になりません
しかし2枚、3枚と続けて洗う場合は界面活性剤が薄いためどんどん泡が弱くなってしまうでしょう
これを補うべく何度も洗剤を追加するようではコスパが悪いですよね…

また洗浄力の理論と同様、手肌への影響について界面活性剤の濃度はあまり関係ありません
結局手が荒れるかどうかは界面活性剤の種類によって決まります
「弱酸性」「界面活性剤の配合量が少ない」などの特徴は手肌に優しいイメージを与えますが、実際のところはそれ以外に重要なポイントあるように思われます

フロッシュ 使ってみた!

では文字上でのフロッシュの分析を行ったところで、ここからは実際にフロッシュを使ってみて、その使い心地や汚れの落ち具合などを確認してみましょう!

泡立ちと汚れ落ち

今回洗ってみるのは油汚れのついたフライパンと、コップ2つ
あまりガンコな汚れではありませんが、とりあえず洗ってみましょう

まずスポンジをしっかり濡らしたのち、少し多めにフロッシュ(スタンダードタイプ―ザクロの香り)を出して…、

このようにフライパンを洗っていきます
多めに入れたからかもしれませんが、泡立ちは十分で、ザクロの香りがたちこめます
なおこの後2つのコップ、そしてフライパンの取っ手を洗いましたが、その際少々泡が減っているような印象をもちました
9%という界面活性剤の少なさゆえでしょうか?

またその後洗い流してみたのですが、フライパンの油汚れが残っていました
もちろん元の油汚れの多さや洗い方にもよるでしょうが、少々不安が残る結果ですね
ただしスポンジの泡切れは早く、かつ手肌に優しいことをコンセプトとしているため、多少の洗浄力の低さには目を瞑る必要があるかもしれません

他洗剤と比べて

ちなみにこの後、JOYで残った油汚れを落としてみました

フロッシュとほぼ同じ量を出して洗ってみましたが、やはり泡持ちがいいように感じましたね
また流した後の汚れ残りもありませんでした
もちろん先にフロッシュで洗った後であるため、「その分泡が分解されにくかった」「汚れが落ちていた」とも考えられますが…

ただしこれだけは言えるというのが泡切れの遅さです!
フロッシュに比べて、食器、スポンジ共に洗剤によるヌルヌルが落ちにくかった印象ですね

やはりフロッシュによる差別化はこのような点においてなされているのでしょう

まとめ

いかがでしたか?
今回はドイツ生まれの食器用洗剤「フロッシュ」について、その性能をキャッチコピー・成分表示・洗い心地の3点から徹底分析してみました!

やはり日本における合成洗剤の市場は「花王・P&G・LION」の3社に席巻されているところが大きく、他の洗剤が付け入る隙があまりないように思われます
よってフロッシュのように、洗浄力では大手3社に劣るものの、泡切れの良さや手肌への影響の少なさで勝負する商品が辛うじて生き残っているようですね…

ではご精読ありがとうございました!
またお会いしましょう♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
記事URLをコピーしました