花王「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」を成分から徹底解説!

60秒で読める!AI記事要約
▼特徴と用途
– 花王の水アカ特化型洗剤(シリーズ初)
– 家中の蛇口・洗面台・鏡などに使用可
– ※浴槽・床は非推奨(安全配慮)
▼主な成分と働き
– クエン酸4% + クエン酸塩:水アカを分解しつつ、液性を弱酸性に調整(素材に優しい)
– アルキルベタイン:皮脂汚れも分解する界面活性剤
– ポリアクリル酸塩:再付着防止
– フッ化物塩:シリカ水アカにも対応可能(一般家庭では珍しい)
▼花王ならではの工夫
– 泡調整剤(ブチルカルビトール)で泡の密着力◎
– 強い酸性にせず安全性を確保
– 継続使用で水アカ予防効果も期待できる
▼注意点
– 塩素系と混ぜるのはNG
– バスタブや床は素材によっては非対応
– 使用箇所と素材を確認してから使う
▼こんな人におすすめ
– 家中の水アカをまとめてケアしたい人
– シリカ水アカに困っている人
– 酸性洗剤に不安があるけど強力な洗剤を探している人
→成分・効果・安全性のバランスがとれた、家庭用としては非常に高性能な水アカ洗剤です!

こんにちは!のぞみです。
今回は花王さんの水アカ用洗剤「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」について、洗剤の成分や公式ホームページをみながらじっくり解説していきます。
マニアックな内容ではありますが、成分をみることで新しい発見もありました♪
ちなみに今回参考にしたのは、こちらの茂木和哉(@motegikazuya)さんのYouTube動画です!
マジックリンEX 4つの商品
今回解説していく洗剤がこちら、「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」です。
公式ホームページを見てみると、マジックリンEXシリーズには4つの商品があるようです。
「こびりつき汚れ用つけおきパウダー」はおそらく、「キュキュットつけおき洗い」と同じものかなと思います。
「キュキュットつけおき洗い」は以前、「ワイドマジックリン」として発売されていました。
見せ方を変えるだけで売れ行きがグンと変わることがあるので、実は洗剤メーカーさんでは、中身は同じままブランドや商品名を変えることはよくあるんですよね……!
「キュキュットつけおき洗い」は、ほかのつけおき洗剤や酸素系漂白剤とどこが違うのか?茂木さんが詳しくお話してくれています。
こちらの洗剤が気になる方は、ぜひ動画をチェックしてみてくださいね!
ttps://www.youtube.com/watch?v=vMZ1ynYkvPs
マジックリンEXで「水アカ・コゲ用かきとりシート」はごしごしこすって落とすシート、「カビ用密着ジェル」は名前の通りカビ取りジェルですね。
今回はこの4つのなかから「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」をピックアップしてご紹介していきます!
洗剤のボトルをチェック
まずは「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」のボトルから見ていきましょう。どんな特徴があるのか、メーカーさんとしてはなにをアピールしたいのかがよくわかりますよ!
商品名にもある「EXパワー」という文言は、花王さんの洗剤でよく見かけますね。
「ワイドハイターEXパワー」のように、汚れ落ちの良さをアピールする洗剤についているような印象です。
ボトルの表面には「固着した水アカを一掃!」とあります。
水アカが落とせるということは酸性洗剤なのでしょうが「混ぜるな危険」の文言はありません。これは洗剤の成分をみたらなにかわかるかもしれませんね。
お風呂の水アカは落とせるの?
ボトルの側面をみると「家じゅうこんな所にも!」と使える場所がイラストで書かれています。
気になるのは浴室のイラストがないことです。
家の中で水アカが気になる場所といえばやっぱりお風呂でしょうが……お風呂まわりだと壁・シャワーヘッド・鏡とあるだけでバスタブや床は含まれていません。
お風呂以外だと使える場所は、洗面所の蛇口・洗面ボウル、キッチンの蛇口、トイレの手洗い場が書かれています。
「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」はお風呂用洗剤、トイレ用洗剤と場所ごとにわけた洗剤ではなく、家中いろんなところに使える洗剤、として売り出しているようですね!
3つの気になる点
ここからは「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」の気になるところを①花王さんが水アカ洗剤を開発したということ、②クエン酸が4%なのに弱酸性であること、③シリカ水アカにも効くということ、の3つにわけてお話していきます。
花王さんが開発した水アカ洗剤
大手メーカーで水アカが落ちる洗剤は少ない?
わたしの知る限りでは、花王さんが水アカ洗剤を出すのは初めてかと思います。
水アカも落とせるバスクリーナーはありましたが、あくまで皮脂汚れを落とすのがメイン、水アカが落ちるのはサブ的な感じでした。
ですが今回の「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」は、水アカに特化した洗剤ですね!
なぜ花王さんのような大手メーカーさんが水アカ洗剤をなかなかつくらないのか?は「強力カビハイター」のような塩素系洗浄剤の存在が大きい……とわたしは考えています。
水アカを落とすときに使うのは、基本的に酸性洗剤です。
酸性洗剤は「強力カビハイター」のような塩素系洗浄剤とは混ぜるな危険!
万が一混ざると、塩素ガスが出てきてしまいます。
日本は高温多湿でカビが生えやすく、軟水で水アカができにくい地域です。
なので圧倒的に、水アカよりもカビを落としたい、というニーズのほうが多いはずなんですよね。
花王さんも大手メーカーさんですから、もし酸性洗剤と「強力カビハイター」が一緒に使われて事故に繋がったら……と考えることがあるはずです。
なので花王さんもあまり積極的に酸性洗剤は開発せず、水アカにはたらきかけるのなら酸性洗剤以外の方法(バスマジックリンにキレート剤を入れるなど)をしてきたのかな、と思います!
※あくまでわたしの予想です。
そんな背景があってか、日本ではお風呂用の酸性洗剤は大手メーカーさんからは出ていません。
その隙間を狙って発売されたのが、茂木和哉さんが作った酸性バスクリーナー「おふろのなまはげ」、水アカ洗剤「茂木和哉」ですね。
最近だと酸性のバスクリーナーや水アカ洗剤も少しずつ見かけるようになりましたが、「茂木和哉」が登場したときはほとんどなかったそうですよ!
界面活性剤の配合がすごい
ただここはやっぱり花王さん、洗剤の開発力は随一ですから酸性洗剤を作るとなるとものすごいものを出してきました。
少し話がそれますが……花王さんのキッチン用洗剤に「キッチンマジックリン」がありますね。
以前茂木さんも「あの価格であれだけたくさんの洗浄成分をいれて、しかもアルカリ度はそこまで高くない洗剤がつくれるなんて、花王さんにしかできない」と話していました。
もし花王さん以外の洗剤メーカーが汚れ落ちのいいキッチン用洗剤を作るとしたら、アルカリ度が高い洗剤をつくる、くらいしかできません。
ですが花王さんは界面活性剤の知識がものすごく、さすがとしか言えない配合になっているそうですよ。
話を戻して「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」を見てみると、やはり弱酸性なのにものすごい成分配合になっていました。
ここからは成分表示をじっくり見ていきましょう!
クエン酸が4%なのに弱酸性
ボトルに表記されている成分を見てみると「界面活性剤(アルキルベタイン)、クエン酸(4%)、泡調整剤、除菌剤、分散剤」、そして液性は「弱酸性」とあります。
ここで気になるのがクエン酸(4%)のというところですね。
参考までに激落ちくんシリーズの「クエン酸泡スプレー」の成分を見てみるとクエン酸(2.5%)、そして液性は酸性となっています。
なんと「クエン酸泡スプレー」は「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」よりクエン酸の配合割合は少ないのに、弱酸性ではなく酸性なんです。
どうして「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」はクエン酸が4%も入っているのに弱酸性なのか……これにはほかの成分も関係しているかもしれません。
花王さんの公式ホームページには成分が詳しく載っているので見ていきましょう。
上に書かれているものほど配合割合が多いものとなり、水(工程剤)、クエン酸塩(金属封鎖剤)、プチルカルビトール(溶剤)、アルキルベタイン(界面活性剤)、芳香族アルコール(防腐剤)、ポリアクリル酸塩(分散剤)、フッ化物塩(洗浄助剤)、香料(香料)とあります。主流なものをお話していきますね!
クエン酸塩
水の次に多いクエン酸塩は、金属封鎖剤として配合されています。
ただここで気になるのはボトルには「クエン酸塩」ではなく「クエン酸」と書かれていることですかね。
はじめは表記ミスかな?と思ったのですが、ちゃんと別のもののようです。
クエン酸塩は中性~弱アルカリ性くらいのpHで、配合することでむしろ酸がマイルドになっていきます。
あえて加えて液性を弱酸性にしているとしたら……すごいアイデアですよね。
一般的に酸性度が強いほうが水アカが落ちてくれるので、敢えてここで酸をマイルドにしよう!という発想には普通はなりません……。
もちろんクエン酸塩もキレート材ですから、それ自体に水アカを落とすはたらきがあります。
つまりクエン酸塩は液性を調整することと、水アカに対しての洗浄効果、2つのはたらきのために配合されている、というわけですね!
ちなみに……酸性度をマイルドにすることによるメリットもありますよ。
それは素材への負担が少なくてすむこと。
花王さんのような大手メーカーなら、できるだけリスクは抑えたいとしっかり考えているはずですからね~!
ブチルカルビトール(泡調整剤)
3つ目に配合されているプチルカルビトールは溶剤ですが、「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」には泡調整剤として配合されています。
スプレーしたときどんな風に泡が出てくるのか?壁のような場所にどんな風に密着するのか?は気になりますね。
花王さんは洗剤の成分はもちろん、泡の出方にもこだわっています。
以前茂木さんが、洗剤各社から出ているカビ取り泡スプレーの比較をしていたのですが、泡の密着力の高さは花王さんの「強力カビハイター」が一番でした!
最近は花王さんの「キッチン泡ハイター」もリニューアルされ、さらにしっかりとした泡が出てくるようになりました。
花王さんはとにかく、スプレーのしやすさや泡の持ちにこだわっているので、お掃除するときも快適なものが多いです♪
アルキルベタイン(界面活性剤)
4つ目はアルキルベタイン。これは両性界面活性剤ですね。
界面活性剤を入れることで、皮脂汚れもしっかり落としてくれます。
ちなみに先ほど泡調整剤として紹介したプチルカルビトールは溶剤です。
溶剤にも皮脂汚れを落とす働きがあるので、「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」は皮脂汚れに対しいくつかの方法でアプローチしている、ということになりますね。
芳香族アルコール(溶剤・除菌剤)
つぎに配合されているのは芳香族アルコールですね。これも溶剤の一つで、皮脂汚れへの洗浄効果があります。
また除菌効果もあるので、菌が気になるこの頃はよく見かけますね。
ポリアクリル酸塩(分散剤)
5つ目に配合されているのはポリアクリル酸塩です。
これは分散剤といって、水アカがもう一度付着するのを防いでくれるはたらきがあります。
茂木さんも洗剤を開発するとき、除菌重視系の洗剤に使うことがあったそうです。
水アカ洗剤に入れるというやり方もあるんですね!
シリカ水アカにも効く
フッ化物塩
そして気になるのが……6つ目のフッ化物塩です。
これが3つ目のポイント!シリカ水アカにも効く、につながります。
配合されているフッ化物塩はおそらくフッ化ナトリウムかなと思います。
実は水アカといってもいろんな種類の水アカがあって、なかでも厄介なのがシリカ水アカと言われる水アカなんですよね。
シリカ水アカはカラスや鏡、タイルなどにつくと同質化してしまう……という非常に落としにくい性質を持っています。
ガラスと同質化してしまっているので、ガラスも溶かす成分でないとシリカ水アカをおとすことができません。
一歩使い方を間違えると、ガラス本体(鏡やタイルなど)も溶けてしまうので、プロの業者さんでもない限り使いこなせないんですよね……。
実際に茂木さんもシリカ水アカを落とす「青鬼」や「黄鬼」という洗剤を発売されていますが、使い方が難しいので一般の方には販売していないそうです。
弱酸性にしているのはあえて?
本来なら業務用洗剤でないと落とせないようなシリカ水アカに対しても、「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」はフッ化物塩を配合することでアプローチできるようにしています。
もちろん大手メーカーの花王さんですから、一般の方が使っても素材を傷めないように、と配慮はされているはずです。
おそらく配慮の1つが洗剤の液性。
敢えて酸性ではなく弱酸性にしていることで、フッ化物塩もちょうどいいはたらきをしてくれるのかな、と思います。
はじめは「どうしてわざわざ弱酸性にしたんだろう?」と思いましたが、いろんなタイプの水アカにはたらきかけることができるよう、いろんな成分を組み合わせて考えたのでしょうね~!
お風呂全体に使えないのは事故のリスクを減らすため?
ここまで「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」のボトルや成分をじっくりみながらお話していきました。
前半、お風呂のバスタブや床は用途に含まれていないのが気になりましたが、「お風呂全体に使える!」と書かないところも花王さんらしいかな、と感じました。
もしわたしが洗剤を開発するとなったら「お風呂丸ごと使えます」と書きたくなりますが……事故のリスクもありますからね。
まぁわたしは……「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」のすごさが改めてわかったので、自己責任としたうえでバスタブの水アカ取りをしてみたいなとも思います!
定期的に使えば水アカが防げる
ボトルの裏面には「使い続けることで頑固な水アカになるのを防ぐ」と書かれています。
成分にはキレート剤や分散剤が配合されていますし、定期的に使うことで水アカ予防効果があるのだと思います。
たとえばお仕事で忙しいときは「バスマジックリン」や「バスタブクレンジング」といったいつものバスクリーナーでお掃除、時間に余裕のあるときに「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」でお掃除……とすれば、ずっとキレイなお風呂場をキープできそうです♪a
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は花王さんの水アカ洗剤「マジックリンEXパワー水アカ用スプレー」についてじっくりお話していきました。
これまでにはない新しいタイプの洗剤ですので、お店でぜひチェックしてみてくださいね!
また、YouTubeチャンネル「のぞみのお掃除講座」では、お掃除にまつわるいろんな情報をお届けしています。
こちらの動画もみてもらえると嬉しいです!
さらに自分にあったお掃除法を見つけたいという方は、「汚れ落とし研究家 茂木和哉のラクラク掃除術」を読んでみてくださいね。
茂木さんがお掃除ノウハウを、わかりやすくまとめてくれていますよ~!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またお会いしましょう~♪