のぞみの記事

【環境問題】掃除のプロが考える 合成洗剤や石鹸が与える環境への影響に関して【生活記事】

suura
のぞみ

こんにちは!のぞみです。

令和2年度末における日本の汚水処理人口普及率(排水された水がしっかり浄化される状況にある人の割合)は、92.1%だそうです

参考:「報道発表資料:令和2年度末の汚水処理人口普及状況について – 国土交通省」2021年11月4日確認

この数値を見て、皆さんは高いと思われますか?それとも低いと思われますか?
感覚は人それぞれですが、この数値から逆算すると約990万人が汚水処理施設を利用できない状況にあるとも言えます

このように生活排水が環境に及ぼす悪影響は未だ顕著なのですが、掃除という分野に関わる者として私個人が気になるのは合成洗剤や石鹸が与える環境への影響です
そこで今回は合成洗剤や石鹸を使った後の排水、そしてこれらの洗剤が作られる過程における環境への影響についてまとめていきたいと思います!

因みに参考にするのは…
こちらの茂木和哉(@motegikazuya)のYouTube動画です↓

なおこちらの記事は下記の記事の続きの内容となっているので、より詳しく本記事の内容を知りたい方は、下のリンクから飛んで、前編をお読みになってくださいm(__)m

石鹸は環境に優しいのか?

石鹸と聞くと、手肌はもちろん環境にも優しいというイメージはありませんか?
実際ナチュラルクリーニングの代表格として石鹸は有名です
ですが果たして排水という分野において、石鹸が環境に優しいというのは本当なのでしょうか?

合成界面活性剤の生分解性

石鹸の排水に関する環境への影響について考える前に、その比較対象とすべく合成界面活性剤をピックアップします

水に薄まっても界面活性作用が止まりにくいことで知られる合成界面活性剤
実際これまで大手の洗剤メーカーは、環境に悪影響を与える合成界面活性剤を作り続けてきたという過去もあり、かなり批判の的にもなっていました
しかし最近では生分解性の高い合成界面活性剤が多く流通するようになったのです
なお生分解性とは、排水されたときに微生物によって分解されるまでにかかる時間の早さを示します
つまり最近の合成界面活性剤は排水時に微生物によってしっかり分解されるような成分に変わりつつある、ということです!

石鹸カスによる微生物の増殖

では一方の石鹸はどうでしょうか?


まず生分解性についてですが、石鹸のそれは合成界面活性剤に比べて格段に高いです!
これだけ聞くと環境へ悪影響を及ぼしかねない成分がすぐに分解される、とてもクリーンな洗剤であるかのうように思えますが、実はそうではないです

生分解性が高い、ということはつまり微生物たちにとって石鹸カスはとても好物であるということです
またそもそも合成界面活性剤よりも石鹸の方が、1回の洗浄にかける使用量は多くなります
つまり微生物からしてみると、美味しいご飯が大量にやってくるわけですね…
これにより微生物の増殖が始まります

ここで少々話はずれますが、皆さんは有リン洗剤というものをご存じですか?
昔流行ったこの洗剤による排水は微生物の増殖を招き、結果池や川の酸素が減ったり、水中に差し込む日の光を遮って水草の光合成を阻害したり、などの悪影響が問題視されました

また石鹸を洗濯で使用した際には洗濯槽に黒カビが発生しやすくなりますし、浴室で使用した際には排水口にヌメリや黒ずみができることもしばしば…

このように有リン洗剤、洗濯や入浴の件を鑑みると、排水という面に関して、石鹸は環境に優しいとあまり言えないように思われます

他に考えられる悪影響

今までは洗剤を使った後の排水に関する、環境への影響について考察してきました
しかしこれだけではアンバランスだと言わざるを得ません…
洗剤が作られ、そして我々の手もとに届くまでの過程、そこにも問題は山積みです

原材料について

皆さんは合成界面活性剤や石鹸が主に何から出来ているかを知っていますか?
答えは「パーム油」です

このパーム油は、主に東南アジアや南米に畑を作って、栽培した油ヤシを原料としています
しかしこのヤシ畑を作る過程で、ジャングル開拓のための森林伐採がなされているというのが実情です
もちろんこれは世界的にも大きな環境問題として重要視されています
実際ネット上で「パーム油 環境問題」などと打ち込み検索してみると、その問題の一端を垣間見ることができるでしょう

輸送・生産について

では次に原材料である油が工場に輸送され、最終的に我々の元へやってくるまでの過程についてです
まず輸送についてですが、こちらにはその輸送する車両や飛行機が動くための燃料や、その燃料が燃える際の二酸化炭素の排出が環境への悪影響として挙げられます

なおこれは完成した洗剤が工場から最終的に我々の手元へ届くまでの輸送過程でも発生する問題です

また洗剤の生産過程ではどうでしょうか?
洗浄成分を混合するための機械や量り、あるいは洗剤を入れる容器の生産などにも燃料が使われます
これも環境問題の一端と言って差し支えないと思われます

このように洗剤を使った後の排水だけでなく、洗剤の生産・流通過程においても環境問題は強く紐づいている内容なのです

まとめ

いかがでしたか?
今回は洗剤の排水や生産・流通過程から考える環境への悪影響について考察してきました

掃除に関する記事を発信する身として、私もしっかり考えなければならない問題ですね
また是非皆さんにもよく考えていただきたい内容でもあります!
一緒に勉強して、環境に優しいお掃除ライフを確立していきましょう♪

ではご精読ありがとうございました!
またお会いしましょう♪

ABOUT ME
茂木和哉
茂木和哉
汚れ落とし研究家
1975年秋田県生まれ。20歳で温泉浴場清掃をバイトで経験。21歳で工業薬品や業務用洗剤の販売会社に就職。30歳で洗剤メーカーに転職し、1年後の秋田で独立。 独学で掃除と洗剤作りを学び、秋田からパソコン1つで情報発信を始め、自分の名前をつけた代表作「茂木和哉」を大ヒットさせる。現在ではシリーズ展開させ全国のお店に並ぶまでに。 汚れ落とし人生で得たノウハウを惜しみなく伝えるYouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」は、チャンネル登録数30万を超える。
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